塩湿地とは?
えんしっち
塩湿地とは、塩分を含む海水や汽水が定期的に浸入する沿岸低地に発達する湿地で、塩生植物が優占する独特の生態系です。
塩湿地(salt marsh、塩性湿地とも)は、温帯〜亜寒帯の沿岸部において、潮の干満によって定期的に塩水が浸入する低平地に成立する湿地生態系です。熱帯〜亜熱帯のマングローブ林と同様の役割を担いますが、より高緯度の地域に分布します。
塩湿地の植物は、高い塩分濃度という過酷な環境に適応した「塩生植物(halophyte)」が中心です。代表的なものとしてシオクグ・アッケシソウ・コアマモ・シバナなどがあり、密なマット状の植物群落を形成します。この植物体に有機物が蓄積することで、塩湿地は単位面積あたりの炭素固定量が非常に高い「ブルーカーボン」生態系として近年注目されています。
生態学的な機能は多岐にわたります。
- 魚類・甲殻類の産卵・稚魚育成場(ナーサリーハビタット)
- 渡り鳥の休憩・採食地
- 波浪・高潮エネルギーの緩衝帯
- 窒素・リンなどの過剰栄養塩の吸収・浄化
日本では北海道のサロマ湖や浜名湖などに典型的な塩湿地が残りますが、干拓・埋め立てにより多くが失われており、生態系の保全と再生が課題となっています。
使い方・例文
河口付近の干潟の縁に、塩分に強いアッケシソウやシバナの群落が広がる場所が塩湿地の典型例です。渡り鳥の観察スポットとして知られる干潟もしばしば塩湿地に隣接しています。
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