ボツリヌス菌とは?
ぼつりぬすきん
ボツリヌス菌とは、強力な神経毒素を産生する嫌気性細菌で、密封食品や缶詰などでの食中毒(ボツリヌス症)の原因として知られています。
ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)は、酸素のない環境を好む嫌気性の芽胞形成細菌で、土壌や海・川の底泥などに広く分布しています。この菌が産生するボツリヌス毒素は、既知の天然毒素の中でも最強クラスの神経毒素の一つとされています。
食中毒(ボツリヌス症)は、毒素が産生された食品を摂取することで発症します。主な感染源として、自家製の缶詰・瓶詰め、密封された発酵食品、真空パック食品などが挙げられます。症状は毒素が神経と筋肉のつなぎ目(神経筋接合部)の情報伝達をブロックすることで引き起こされ、以下のような経過をたどります。
- 初期:吐き気・嘔吐・腹痛・下痢
- 進行:視力障害・嚥下困難・言語障害
- 重症化:呼吸筋麻痺による呼吸困難(致命的になることもある)
ボツリヌス菌の芽胞は熱に非常に強く、100℃での加熱では死滅しません。120℃以上での加熱(レトルト殺菌など)や、強い酸性条件(pH4.6以下)では増殖・毒素産生が抑制されます。一方、毒素そのものは80℃以上の加熱で比較的容易に失活します。食品加工では適切な殺菌・酸性化・低温管理によって予防することが基本です。また、乳児ボツリヌス症は、はちみつを1歳未満の乳児に与えることで腸内で菌が増殖する特殊な形態として知られています。
使い方・例文
自家製の真空パック野菜や密封した保存食を十分に加熱せず食べた場合に、ボツリヌス症が発生することがあります。はちみつは1歳未満の乳児には与えないよう、育児の場面でも注意が呼びかけられています。
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