芽胞とは?
がほう
芽胞とは、一部の細菌が環境悪化時に形成する極めて耐久性の高い休眠構造で、高温・乾燥・消毒薬にも抵抗できる性質をもちます。
芽胞(がほう、endospore)は、バシラス属(枯草菌・炭疽菌など)やクロストリジウム属(破傷風菌・ボツリヌス菌など)の一部のグラム陽性細菌が、栄養不足・乾燥・高温などの過酷な環境条件に応じて形成する休眠型の構造体です。
芽胞の形成(芽胞形成)は複数のステージを経て進み、最終的に細胞壁が特殊なコート層・コルテックス・スポアコートと呼ばれる多層構造で覆われます。内部にはDNA・リボソーム・一部の酵素が保護された状態で収められており、ジピコリン酸カルシウムの蓄積が高い耐熱性に寄与しています。
芽胞の特徴的な耐性は以下の通りです。
- 100°Cの沸騰水でも数時間生存可能なものがある
- 紫外線・放射線への高い耐性
- 多くの消毒薬(アルコール・塩素系など)に対して抵抗性
- 乾燥状態で数十年〜数百年以上生存する記録がある
医療現場では、芽胞形成菌による感染が深刻な問題となります。ボツリヌス食中毒や破傷風、クロストリジウム・ディフィシル腸炎などがその代表例です。滅菌にはオートクレーブ(高圧蒸気滅菌・121°C15分以上)が標準的に用いられ、通常の消毒では芽胞を完全に除去できません。
使い方・例文
食品の缶詰製造では、ボツリヌス菌の芽胞を死滅させるために高圧蒸気殺菌が行われており、芽胞の耐熱性が食品安全管理の重要な考慮事項となっています。
この用語をシェア
最終更新: