炭疽菌とは?
たんそきん
炭疽菌とは、芽胞を形成するグラム陽性桿菌で、ヒトや家畜に炭疽症を引き起こし、生物兵器としても使用された危険な病原菌です。
炭疽菌(たんそきん、学名:Bacillus anthracis)は、バシラス属に属するグラム陽性の芽胞形成菌です。土壌中に芽胞として長期間(数十年以上)生存できる能力を持ち、家畜・野生動物・ヒトに炭疽症(anthrax)を引き起こします。1876年にロベルト・コッホによって初めて純粋培養され、細菌が特定の疾患を引き起こすことを証明したコッホの原則の確立に重要な役割を果たした細菌としても歴史的に知られています。
ヒトへの感染経路は主に三つあり、それぞれ異なる病態を示します。
- 皮膚炭疽:感染動物や汚染皮革との接触による感染。特徴的な黒色壊死性潰瘍(炭疽疱疹)が形成される。致死率は低いが適切な治療が必要
- 肺炭疽:芽胞の吸入による感染。最も致命的な病型で、初期症状が風邪に似ており診断が遅れやすい
- 消化器炭疽:汚染肉の摂取による感染。激しい腹痛・出血性下痢を来す
炭疽菌が産生する毒素(致死毒素・浮腫毒素)が組織損傷や全身症状の主要な原因です。また、芽胞の安定性・致死性・大量培養の容易さから、生物兵器(バイオテロ)への転用が懸念されており、2001年の米国炭疽菌郵便テロ事件では22名が感染し5名が死亡しました。治療にはシプロフロキサシンやドキシサイクリンなどの抗菌薬が使われ、曝露後予防(PEP)としても投与されます。
使い方・例文
炭疽菌は農業従事者や獣医師、皮革加工業者などで職業感染が起きることがあるほか、テロリズムの観点から生物兵器対策の文脈でも頻繁に取り上げられます。
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