腸管侵入性大腸菌とは?
ちょうかんしんにゅうせいだいちょうきん
腸管侵入性大腸菌とは、大腸の粘膜上皮細胞に侵入・増殖して炎症を引き起こし、赤痢に似た症状をもたらす病原性大腸菌の一種です。
腸管侵入性大腸菌(EIEC:Enteroinvasive Escherichia coli)は、病原性大腸菌の病原型の一つで、赤痢菌(Shigella属)と非常に類似した病原メカニズムを持つことが特徴です。
通常の大腸菌は腸管粘膜に侵入する能力を持ちませんが、EIECは特定のプラスミドにコードされた侵入因子を保有しており、大腸の粘膜上皮細胞に能動的に侵入します。細胞内に入ったEIECはアクチンフィラメントを利用して隣接する細胞へと広がり、上皮細胞を破壊しながら炎症反応を誘発します。
感染経路は主に汚染された食品や飲料水の摂取(糞口感染)で、発展途上国での水や食品の衛生管理が不十分な地域での集団発生が知られています。潜伏期間は通常1〜3日で、主な症状は以下の通りです。
- 水様性下痢(初期)
- 粘血便・膿血便(進行期)
- 腹部けいれん・テネスムス(しぶり腹)
- 発熱・倦怠感
赤痢菌による細菌性赤痢と臨床像が酷似するため、確定診断には便培養や遺伝子検査が必要です。治療には抗菌薬が用いられますが、感染予防には手洗いや食品・水の衛生管理が最も重要です。
使い方・例文
食中毒や感染性腸炎の原因菌を特定する際の鑑別診断や、海外渡航者の下痢症(旅行者下痢症)の原因調査の文脈で「腸管侵入性大腸菌」が取り上げられます。
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