ヘンレ係蹄とは?
へんれけいてい
ヘンレ係蹄とは、腎臓の尿細管がU字型に折り返した部分で、尿の濃縮に不可欠な構造です。
ヘンレ係蹄(ヘンレけいてい)とは、腎臓のネフロン(腎単位)を構成する尿細管の一部で、髄質の中にU字型に伸びた構造のことです。19世紀のドイツ人解剖学者フリードリヒ・グスタフ・ヤコブ・ヘンレにちなんで命名されました。
ヘンレ係蹄は、近位尿細管から続く細下行脚と細上行脚、そして太上行脚の3つの部分から構成されています。各部位は水や溶質(ナトリウムイオンなど)に対する透過性が異なり、この性質の違いが尿の濃縮を実現する「対向流増幅機構」の基盤となっています。
具体的には、下行脚では水が浸透圧差によって間質へ移動し、上行脚ではナトリウムイオンやクロールイオンが能動的に汲み出されます。この仕組みにより、髄質の間質液は深部に向かうほど浸透圧が高くなり、集合管を通る原尿から水分をさらに回収して濃縮した尿を作り出せます。
ヘンレ係蹄の長さは動物によって大きく異なり、砂漠に生息するげっ歯類など水分が乏しい環境に適応した動物ほど係蹄が長く、より濃縮された尿を産生できます。腎臓の水分再吸収機能を理解するうえで中心的な構造であり、慢性腎臓病の研究や利尿薬の作用機序(ループ利尿薬は上行脚に作用)を考えるうえでも重要です。
使い方・例文
ループ利尿薬はヘンレ係蹄の上行脚に作用してナトリウム再吸収を抑え、強力な利尿効果をもたらします。むくみや心不全の治療で広く使われます。
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