グロテスク装飾とは?
ぐろてすくそうしょく
グロテスク装飾とは、古代ローマの洞窟遺跡から着想を得た、人物・動物・植物・空想の生き物が奇妙に絡み合うルネサンス期以降の装飾様式です。
グロテスク装飾(Grotesque)は、15世紀末のイタリアで再発見された古代ローマの壁画装飾を原型とする装飾様式です。その名称は、発掘された古代ローマの地下遺構(洞窟=グロッタ、grotta)から名付けられており、人間・動物・植物・架空の生き物・葉飾りなどが互いに絡み合い、自由奔放に変形・融合した幻想的な模様が特徴です。
古代ローマのネロ帝の宮殿「黄金宮殿(ドムス・アウレア)」の地下に残された壁画装飾が15世紀末に発見されると、ラファエロらルネサンスの芸術家が強い影響を受け、バチカンのロッジア装飾などに取り入れました。その後、マニエリスム・バロック・ロカイユ(ロココ)・新古典主義など各時代の装飾芸術に継承されました。
グロテスク装飾の主な要素としては以下が挙げられます。
- カンテラブルム(燭台型の植物文様)を中心とした左右対称の構成
- 半人半獣・半人半植物などキメラ的な生き物
- 葉・花・果実・リボンなどが絡み合うアラベスク的模様
- 建築の天井・壁面・家具・食器・織物など幅広い素材への応用
「グロテスク」という語は後に「奇怪・醜怪なもの」という一般的な形容詞としても使われるようになりましたが、美術・建築の文脈では特定の装飾様式を指す専門語として区別されます。
使い方・例文
ルネサンス美術の解説や建築装飾の図録で「ラファエロが手がけたバチカンのグロテスク装飾は、古代ローマの幻想的な壁画様式を復活させたものだ」と紹介されます。
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