口伝とは?
くでん
口伝とは、文字に記さず師から弟子へ口頭で伝える秘伝・奥義のことで、日本の芸能・武道・宗教などで伝統的に用いられてきた知識伝承の形式です。
口伝(くでん)とは、書物に記すことなく、師匠が弟子に口頭で直接伝える秘密の教えや奥義のことを指します。「口授(くじゅ)」とも言い、日本の芸道・武道・宗教・芸能などの世界で古くから用いられてきた知識伝承の手法です。
口伝が重視される背景には、単に情報を伝えるだけでなく、師弟関係の深化・信頼の確認・秘密の保持という社会的・文化的な意義がありました。文字に書かれた知識は誰でも参照できてしまうため、奥義や秘伝は「書いてはならないもの」として口頭のみで継承されてきたのです。
口伝が行われてきた主な分野は多岐にわたります。
- 能・狂言・歌舞伎などの伝統芸能における演技・型の奥義
- 茶道・花道・書道などの芸道における精神・技法
- 柔術・剣術など武道の秘伝的な技や理念
- 密教・修験道など宗教における儀礼・真言・秘法
口伝は弟子が長年修行を重ねた後に授けられることが多く、師弟の間にある信頼と責任の証でもありました。現代では録音・映像技術の発達により口伝の一部が記録されるようになりましたが、「言葉では伝わらない身体感覚・境地」を口伝と体験で伝える文化は今も生き続けています。
使い方・例文
「その流派の奥義は文書には残されておらず、師から弟子への口伝によってのみ継承されてきた」のように使われます。口伝の内容が書き記されたものを「口伝書」と呼ぶこともあります。
この用語をシェア
最終更新: