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分化全能性とは?

ぶんかぜんのうせい

分化全能性とは、1個の細胞が完全な個体を形成するすべての細胞・組織・器官に分化できる能力のことです。

分化全能性(totipotency)とは、1個の細胞が、胚体外組織(胎盤・絨毛膜など)を含む、生体を構成するあらゆる種類の細胞や組織へ分化する潜在能力を指します。この性質を持つ細胞は「全能性細胞」と呼ばれます。

受精直後の受精卵や、最初の数回の細胞分裂で生じる初期割球がその典型です。哺乳類では8細胞期ごろまでの割球が分化全能性を持つとされています。この時期の細胞は、胚に戻すと正常な個体発生に参加でき、胎盤組織にもなれることが実験的に示されています。

分化全能性に近い概念として、多能性(pluripotency)があります。

  • 全能性(totipotency):胚体外組織も含む全細胞に分化可能
  • 多能性(pluripotency):体の三胚葉由来のほぼすべての細胞に分化可能(iPS細胞・ES細胞が該当)
  • 多分化能(multipotency):特定の系列の複数種類に分化可能

植物では、体細胞の多くが分化全能性を保持しており、1個の細胞から完全な植物体を再生させる組織培養技術が農業・育種分野で広く応用されています。分化全能性の分子機構の解明は、クローン技術や再生医療の基礎として重要な研究対象です。

使い方・例文

受精卵を試験管内で培養し、早期割球を分離して別々の個体を誕生させる技術は、分化全能性を利用したものです。植物では、ニンジンの茎の細胞1個から完全な植物体を再生する実験でこの性質が実証されています。

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