ヒル球とは?
ひるきゅう
ヒル球とは、天体がその重力によって周囲の物体を自身の衛星として束縛できる空間領域のことで、惑星が衛星を持てる範囲を示す概念です。
ヒル球(Hill sphere)とは、ある天体(惑星や衛星など)が、より大きな天体(恒星など)の重力に引き寄せられずに、自分自身の重力で周囲の物体を引きとめておくことのできる球状の領域のことです。19世紀の天文学者ジョージ・ウィリアム・ヒルにちなんで名付けられました。
ヒル球の半径はおおよそ次の要素で決まります。
- 天体自身の質量が大きいほどヒル球は広がる
- 中心天体(恒星など)の質量が大きいほどヒル球は縮小する
- 中心天体から離れるほどヒル球は広がる
たとえば地球のヒル球の半径は約150万キロメートル(太陽・地球間距離の約1%)とされています。月はこの範囲内に位置しているため、地球の衛星として安定して存在できます。一方でヒル球の外縁付近に置かれた物体は、太陽の重力に引き剥がされて衛星になれません。
ヒル球は惑星科学において、ある惑星が何個まで衛星を持てるか、あるいは小惑星が仮の衛星を引き留めておけるかを評価する際の基本概念です。また系外惑星の衛星(エクソムーン)の存在可能性を考える際にも重要な指標となっています。太陽系形成の研究や将来の宇宙探査の軌道設計にも応用されています。
使い方・例文
惑星科学の解説で「木星のヒル球内には多数の捕捉小惑星や衛星が存在する」と表現されるような場面で登場します。
この用語をシェア
最終更新: