調和関数とは?
ちょうわかんすう
ある領域上で定義された実数値関数のうち、ラプラシアン(全変数についての二階偏微分の和)がどこでもゼロになる関数のことです。
調和関数(Harmonic Function)とは、領域D上で定義された二回連続微分可能な実数値関数uが、すべての点においてラプラス方程式 Δu = 0(Δはラプラシアン)を満たすものをいいます。二変数であれば∂²u/∂x² + ∂²u/∂y² = 0、三変数では∂²u/∂x² + ∂²u/∂y² + ∂²u/∂z² = 0 の条件です。
調和関数は複素解析・偏微分方程式・物理学において中心的な役割を果たします。複素数の正則関数(ホロモルフ関数)の実部と虚部はそれぞれ調和関数になり、互いに「共役調和関数」の関係にあります。これはコーシー・リーマン方程式から直接導かれる性質です。
物理的には次のような現象を記述します。
- 静電ポテンシャル:電荷が存在しない空間での電位分布
- 定常熱伝導:熱源のない安定状態での温度分布
- 非粘性流体の速度ポテンシャル:渦なし流れにおける流速場
調和関数には「平均値の性質」という重要な特徴があり、ある点での値は、その点を中心とする任意の球(円)上での値の平均に等しくなります。また最大値原理(閉領域上の最大・最小は境界上で達成される)も成り立ち、解の一意性や安定性の議論に使われます。
使い方・例文
電気工学で平行板コンデンサ間の電位分布を求める際や、流体力学で翼周りの速度場を解析する際に「調和関数」として現れます。数学・物理の専門課程でラプラス方程式とともに学ぶ概念です。
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