液体水素エンジンとは?
えきたいすいそえんじん
液体水素エンジンとは、液体水素を燃料・液体酸素を酸化剤として燃焼させるロケットエンジンで、高い比推力を誇る宇宙推進システムです。
液体水素エンジンとは、液体水素(LH₂)を燃料、液体酸素(LOX)を酸化剤として組み合わせるロケットエンジンです。水素と酸素が燃焼すると生成されるのは水蒸気のみで、燃焼産物の分子量が非常に小さいため、排気速度が高くなります。この特性が、推進剤の消費効率を示す「比推力(Isp)」において他の推進剤を大きく上回る要因です。
液体水素の比推力はおよそ450秒前後に達するものがあり、ケロシン(灯油)系エンジンの350秒前後と比べて顕著に優れています。これはより少ない推進剤で大きな速度変化を得られることを意味し、大型ロケットの上段エンジンや月・惑星探査に向いています。
一方で液体水素エンジンにはいくつかの課題もあります。
- 液体水素の沸点は約マイナス253度と極めて低く、極低温の保管・取り扱い設備が必要
- 水素は密度が低いため、燃料タンクが大型化しやすい
- 水素の漏洩検知が難しく、爆発リスク管理に高度な技術が求められる
- 地上設備や整備コストが高くなりやすい
代表的な液体水素エンジンとしては、アメリカのスペースシャトルに採用されたRS-25や、日本のH-IIAロケットに使用されるLE-7Aが挙げられます。高性能と引き換えに扱いの難しさを持つこのエンジンは、深宇宙探査や大型ペイロードの打ち上げにおいて重要な役割を果たしています。
使い方・例文
日本のH-IIAロケットの第1段に搭載されているLE-7Aエンジンが液体水素エンジンの代表例で、高い比推力によって大型衛星を静止軌道まで投入するために活用されています。
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