完全系列とは?
かんぜんけいれつ
完全系列とは、写像の像と次の写像の核が一致するように連なった代数的構造の列であり、ホモロジー代数や位相幾何学で広く使われます。
完全系列(exact sequence)とは、加群(またはアーベル群)と加群間の準同型写像が連なった列において、各写像の像(image)が次の写像の核(kernel)と一致するという条件を満たす列のことです。この条件を「完全性」と呼びます。
記号で書くと、列 A → B → C が完全であるとは、A→B の像と B→C の核が等しいことを意味します。ゼロから始まりゼロで終わる短い完全系列 0 → A → B → C → 0 は「短完全系列」と呼ばれ、A が B の部分加群で C が商加群 B/A に同型であることを表します。
完全系列が登場する主な文脈は以下のとおりです。
- ホモロジー代数でのホモロジー・コホモロジーの計算
- 代数幾何学での層の完全系列
- 位相幾何学でのマイヤー・ビートリス完全系列
- 群論での拡大問題の記述
完全系列は「ある写像の核・像・余核の関係を正確に把握する」ための言語として機能します。スネークの補題や5補題など、完全系列を操作する基本的な補題が多数あり、これらは代数的位相幾何学・表現論・代数幾何学において日常的に使われる道具です。現代数学における最も広く普及した概念のひとつです。
使い方・例文
位相空間を二つの開集合に分けたとき、それぞれのコホモロジーを結びつけるマイヤー・ビートリス完全系列は、完全系列を使って空間全体のトポロジーを解析する代表的な応用例です。
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