基本再生産数とは?
きほんさいせいさんすう
基本再生産数とは、感染症が全員未感染の集団に持ち込まれたとき、1人の感染者が平均して何人に感染させるかを示す指標(R₀)です。
基本再生産数(きほんさいせいさんすう)は、英語でBasic Reproduction Number、記号ではR₀(アール・ナート)と表記されます。感染症疫学において最も重要な指標のひとつで、「誰も免疫を持っていない状態の集団に、1人の感染者が持ち込まれたとき、その感染者が平均して何人の二次感染者を生み出すか」を数値化したものです。
R₀は病原体の感染力の本質的な強さを表す値で、ウイルスや細菌の種類によって大きく異なります。
- 天然痘: R₀ ≈ 5〜7
- 季節性インフルエンザ: R₀ ≈ 1〜2
- 麻疹(はしか): R₀ ≈ 12〜18(非常に高い)
- エボラ出血熱: R₀ ≈ 1〜2(ただし致死率が高い)
R₀が1より大きければ流行が拡大し、1より小さければ流行は自然消滅に向かいます。ちょうど1のとき流行は横ばい状態になります。この性質から、ワクチン接種や感染対策によってR₀を実効的に1以下に抑えることが公衆衛生上の目標となります。
なお、実際の流行状況を表す値は実効再生産数(Rt)と呼ばれ、免疫保有者の割合や対策の効果が反映された動的な指標です。R₀とRtを区別して議論することが正確な感染症理解には重要です。
使い方・例文
基本再生産数は「麻疹のR₀は12〜18と高いため、集団免疫を達成するには人口の90%以上に免疫が必要」といった形で、ワクチン接種目標率の根拠として引用されます。
この用語をシェア
最終更新: