回転スペクトルとは?
かいてんすぺくとる
回転スペクトルとは、分子が回転運動をするときに吸収または放出する電磁波のスペクトルで、主にマイクロ波領域に現れ分子の構造解析に使われます。
回転スペクトル(かいてんスペクトル、rotational spectrum)とは、気体状の分子が量子化された回転エネルギー準位間を遷移する際に吸収または放出する電磁波のスペクトルです。主にマイクロ波(ミリ波)領域の波長に相当するため、マイクロ波分光法とも密接に関連しています。
分子の回転運動は量子力学によって記述され、回転エネルギーは連続的な値をとらず、特定の離散的な値(エネルギー準位)しか許されません。この準位間の遷移エネルギーは分子の慣性モーメント(原子の配置と質量)によって決まります。そのため、回転スペクトルの吸収線の位置・間隔を精密に測定することで、分子の結合距離・結合角・原子間の幾何学的配置を極めて高精度に決定することができます。
回転スペクトルが観測されるためには、以下の条件が必要です。
- 分子が永久双極子モーメントを持つこと(例:HCl、CO、水)
- 対称性が高い分子(H₂、CO₂など)は電気双極子モーメントがゼロのため観測されない
- 気体状態であること(液体・固体では回転が拘束される)
回転スペクトルは分子構造の精密決定に加え、宇宙空間の星間分子雲の観測にも応用されています。電波望遠鏡で特定の回転遷移周波数を観測することで、宇宙に存在する分子の種類や分布を調べることが可能です。これにより、グリシンなどのアミノ酸候補分子の宇宙探索にも活用されています。
使い方・例文
「この分子の回転スペクトルをマイクロ波分光計で測定し、等間隔の吸収線から結合距離を算出した。」分子物理・分光学・物理化学の授業や論文で登場する専門用語です。
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