ヤムシとは?
やむし
ヤムシとは、透明な細長い体を持つ海洋プランクトンで、毛顎動物門に属する肉食性の小動物です。
ヤムシ(矢虫)は、毛顎動物門(Chaetognatha)に属する海洋性の無脊椎動物です。体長は数mm〜数cmほどで、透明でほぼ無色の細長い体を持ちます。「矢虫」という和名は、矢のように素早く動く様子に由来します。英語では「arrow worm(矢の虫)」と呼ばれます。
ヤムシの最大の特徴は、頭部の両側に生えた硬い把握棘(はあくきょく)です。この棘で小型の動物プランクトン——特にカイアシ類——を捕らえて食べる獰猛な捕食者です。また、一部の種はテトロドトキシン(フグ毒)に似た神経毒を持つことが知られており、獲物を麻痺させるのに利用すると考えられています。
ヤムシは世界中の海洋に広く分布しており、表層から深海まで多様な水深に生息します。海洋生態系における役割は大きく、次のような点で重要視されています。
- カイアシ類などの小型プランクトンを捕食する中間捕食者
- 魚類・イカ・クジラなどに食べられる被食者
- 特定の水塊の指標生物として海洋調査に使われる
毛顎動物門は他の動物門との系統的関係が長らく謎とされてきましたが、分子系統解析により前口動物(プロトストミア)の一系統として整理されつつあります。
使い方・例文
海洋調査で採集したプランクトンサンプルを顕微鏡で観察すると、矢のような透明な細長い体を持つヤムシが混じっていることがあり、その水域の環境を示す手がかりにもなります。
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