ボトリティス・シネレアとは?
ぼとりてぃすしねれあ
ボトリティス・シネレアとは、灰色カビ病を引き起こす糸状菌で、農業上重要な植物病原菌です。
ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)は、子嚢菌類(不完全菌世代)に属する糸状菌(カビの一種)で、一般に灰色カビ病菌として知られています。世界中の温帯地域に広く分布し、200種以上の植物に寄生・感染する多犯性の植物病原菌です。
感染した植物の組織は灰褐色に腐敗し、表面に灰色の粉状の胞子(分生子)が大量に形成されます。この見た目が「灰色カビ」と呼ばれる由来です。高湿度・低温・換気不良の環境で特に発生しやすく、施設栽培(温室・ビニールハウス)での被害が深刻になりがちです。
被害が出やすい作物・植物には以下のものがあります。
- イチゴ・ブドウ・トマト・キュウリなどの果菜類
- バラ・チューリップ・シクラメンなどの花卉類
- レタス・ホウレンソウなどの葉菜類
一方で、ブドウに感染した場合には「貴腐」と呼ばれる現象が起き、水分が蒸発して糖度・香気成分が凝縮され、貴腐ワイン(ソーテルヌなど)の原料として珍重されます。このように病害と恵みの二面性を持つ菌でもあります。
防除には適切な換気・摘葉による通気確保、殺菌剤の使用が行われますが、薬剤耐性菌の出現が問題になっています。
使い方・例文
イチゴの収穫時期に果実が灰色のカビで覆われて腐敗しているとき、ボトリティス・シネレアによる灰色カビ病が疑われます。ワイン産地の記事では、貴腐ワインの製造に関わる菌として紹介されることもあります。
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