ヒゲムシとは?
ひげむし
ヒゲムシとは、深海底の有機物豊富な堆積物中に生息する管状の動物で、消化管を持たず体内の共生細菌からエネルギーを得る独特の生物です。
ヒゲムシ(鬚虫、英名:beard worm)は、有鬚動物門(Pogonophora)に属する海産無脊椎動物の総称です。現在では環形動物の一群(シボグリニダ科)に分類されるとする見解が広まっています。細長い管状の棲管に入って生活し、体の前端に「触手」が多数生えていることが名前の由来です。
最大の特徴は、消化管(口・腸・肛門)を持たないことです。一般的な動物が口から食物を取り込んで消化するのとは異なり、ヒゲムシは体内に共生する化学合成細菌から栄養を得ています。これらの細菌は硫化水素やメタンなどの化学物質を酸化してエネルギーを生み出し、宿主に有機物を提供します。
生態・分類上の注目点をまとめると以下のとおりです。
- 水深100メートルから数千メートルの深海泥底に生息する
- 熱水噴出孔や冷湧水域など化学物質が豊富な環境に多く見られる
- 体長は数ミリから最大2メートルを超えるオオヒゲムシ(チューブワーム)まで幅広い
- 化学合成生態系における一次消費者として重要な役割を担う
消化管を持たない独特の栄養摂取様式から、生物の多様な進化の形を示す生物として生物学的に非常に興味深い存在です。
使い方・例文
深海熱水噴出孔の調査映像で、白い管から赤い触手を出した生物が密集している場面が映し出されることがあり、それがチューブワームとも呼ばれるヒゲムシの仲間です。
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