ウィルソン病とは?
うぃるそんびょう
ウィルソン病とは、体内の銅を適切に排出できなくなる遺伝性の代謝疾患で、肝臓や神経系に銅が蓄積して障害を引き起こします。
ウィルソン病(Wilson disease)は、常染色体劣性遺伝(両親からそれぞれ変異遺伝子を受け継ぐ)の遺伝性代謝疾患です。ATP7B遺伝子の変異によって、肝臓における銅の胆汁への排泄機能が障害され、体内に銅が過剰に蓄積することで臓器障害が生じます。
銅は食事から摂取され、通常は肝臓で処理されたのち胆汁として排泄されます。ウィルソン病ではこの排泄過程が機能せず、主に以下の部位に銅が蓄積します。
- 肝臓:肝炎・肝硬変・急性肝不全
- 脳・神経系:振戦(手の震え)、構音障害、精神症状(うつ・行動変容)
- 眼:カイザー・フライシャー環(角膜周辺に現れる金緑色の輪)
- 腎臓:尿細管機能障害
発症は通常5〜35歳ごろで、肝症状で気づかれる場合と神経・精神症状で気づかれる場合があります。診断には血清セルロプラスミン値の低下、尿中銅排泄量の増加、肝生検での銅定量、カイザー・フライシャー環の確認などが用いられます。
治療法は確立されており、銅の排泄を促すペニシラミンやトリエンチンなどのキレート薬、または銅の腸管吸収を抑える亜鉛製剤が使われます。早期発見・早期治療により、症状の進行を抑え通常の生活を送ることが可能です。重症例では肝移植が選択されることもあります。
使い方・例文
若い患者に原因不明の肝機能異常と神経症状が同時に現れた場合、ウィルソン病が鑑別診断の一つとして挙げられます。眼科検査でカイザー・フライシャー環が見つかることで診断の重要な手がかりになります。
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