討幕の密勅とは?
とうばくのみっちょく
討幕の密勅とは、1867年に明治天皇が薩摩藩・長州藩に対して徳川幕府を討つよう命じた秘密の勅命で、倒幕運動の決定的な転換点となった文書です。
討幕の密勅(とうばくのみっちょく)とは、1867年(慶応3年)10月14日、明治天皇の名のもとに薩摩藩と長州藩に対して発せられた、徳川幕府を武力で倒すことを命じた秘密の勅命です。
幕末期、尊王攘夷・倒幕を目指す薩長の志士たちは、朝廷の権威を背景にした正当性を必要としていました。岩倉具視ら公家や倒幕派の志士が中心となって策動し、天皇の名による密勅の発布を実現させました。
注目すべきは、この密勅が発せられたのと同じ日の10月14日に、第15代将軍・徳川慶喜が政権を朝廷に返上する「大政奉還」を上表していた点です。大政奉還によって幕府は自ら権力を返したため、討幕の密勅は実質的に効力を失ったとも解釈されています。
しかし倒幕派はこれを好機ととらえ、翌年1月の鳥羽・伏見の戦いから始まる戊辰戦争へと突入しました。密勅の存在は、倒幕勢力に「朝敵を討つ官軍」としての名分を与え、明治維新を成し遂げる上での政治的・精神的支柱となりました。
この密勅は長らく秘密とされていましたが、後世に史料として公開されており、明治維新史を研究する上での重要な一次資料となっています。
使い方・例文
幕末・明治維新を学ぶ場面でよく登場します。「大政奉還と討幕の密勅が同日に出された背景」というテーマで、倒幕派と幕府の駆け引きを分析する際に使われます。
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