腕神経叢とは?
わんしんけいそう
腕神経叢とは、首から肩にかけて広がる神経の集まりで、腕・肘・手首・手指の運動と感覚を支配する神経ネットワークです。
腕神経叢(わんしんけいそう、Brachial Plexus)は、脊髄の頸髄(C5〜C8)と胸髄(T1)から出る神経根が合流・再分岐して形成される神経の網目状構造です。鎖骨の周辺から腋窩(わきの下)にかけて広がり、上肢(腕・前腕・手)全体の運動と感覚を制御しています。
腕神経叢は複雑な構造を持ち、神経根が集まって幹(トランク)を形成し、さらに前枝・後枝(ディビジョン)に分かれ、神経束(コード)を経て末梢神経として各部位へ向かいます。最終的に分岐する主な末梢神経には以下があります。
- 筋皮神経:上腕二頭筋などを支配
- 正中神経:前腕の屈筋群や手の感覚を支配
- 尺骨神経:小指側の感覚と手の細かい動きを担う
- 橈骨神経:上肢の伸筋群を支配
- 腋窩神経:三角筋などを支配
腕神経叢は損傷を受けやすい部位でもあります。交通事故や出産時の牽引、スポーツによる強い衝撃などで損傷が生じると、腕や手の麻痺・感覚障害・痛みなどが現れます。損傷の程度によっては手術やリハビリテーションが必要になります。
医療現場では、腕神経叢ブロックと呼ばれる局所麻酔の手技も行われており、上肢の手術時に麻酔を効率よくかける方法として広く使われています。
使い方・例文
バイクの転倒事故で肩に強い衝撃を受けた後に腕が動かなくなった場合、「腕神経叢損傷」と診断されることがあります。また、出産時の難産で新生児の肩が引っかかって起こる「分娩麻痺」も腕神経叢の損傷が原因です。
この用語をシェア
最終更新: