等分配の定理とは?
とうぶんぱいのていり
「定理」の用語まとめを見る等分配の定理とは、熱平衡状態にある気体や固体において、各自由度に平均して同じ量のエネルギーが分配されるという統計力学の定理です。
等分配の定理(equipartition theorem)は、古典統計力学の基本定理のひとつで、熱平衡にある系では、エネルギーの2乗項で表される各自由度に対して、平均エネルギー kT/2(kはボルツマン定数、Tは絶対温度)が等しく分配されるというものです。
自由度とは、粒子の運動を記述するために必要な独立した変数の数です。例えば、単原子分子(ヘリウムや希ガス)は空間内を3方向に並進運動するため、自由度は3です。各自由度に kT/2 のエネルギーが配分されるため、1分子あたりの平均運動エネルギーは 3kT/2 となります。
分子の種類によって自由度は異なります。
- 単原子分子:並進3自由度 → 平均エネルギー 3kT/2
- 二原子分子(酸素・窒素など):並進3+回転2自由度 → 平均エネルギー 5kT/2
- 多原子分子(水・二酸化炭素など):並進3+回転3自由度 → 平均エネルギー 3kT
等分配の定理は、比熱(物質を1℃上昇させるのに必要な熱量)の理論値を予測する際に用いられます。金属の固体では各原子が3次元で振動するため、並進3+ポテンシャル3=6自由度となり、デュロン・プティの法則として知られる比熱の値が導かれます。
ただし、この定理は古典力学に基づくため、低温域や量子効果が顕著な系では実験値と一致しないことがあり、量子統計力学(ボース・アインシュタイン統計やフェルミ・ディラック統計)による補正が必要です。
使い方・例文
気体の比熱が分子の種類(単原子・二原子・多原子)によって異なる理由を説明するとき、等分配の定理が基礎として使われます。
この用語をシェア
最終更新: