ベピコロンボとは?ESAとJAXAの水星探査機を詳しく解説する
公開 2026年8月19日
ベピコロンボとは
ベピコロンボは、欧州宇宙機関(ESA)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で開発した水星探査ミッションです。2018年10月に打ち上げられ、太陽系の中でもっとも太陽に近い惑星である水星を詳しく調べることを目的としています。太陽に近い惑星の探査は、強い熱や重力の影響を受けるため技術的な難易度が高く、これまで探査機が訪れた例は多くありません。
2機の探査機と輸送モジュール
ベピコロンボの大きな特徴は、二機の探査機が同時に打ち上げられている点です。ひとつはESAが開発した水星惑星軌道機(MPO)、もうひとつはJAXAが開発した水星磁気圏軌道機(MMO、愛称みお)です。この二機は、電気推進を用いた輸送モジュールに連結された状態で、水星に到達するまでの長い航行を共にします。
惑星のフライバイを重ねる航行方法
水星は太陽にとても近い軌道を回っているため、探査機が水星へ向かう際には、太陽の強い重力によって加速しすぎないよう、慎重に速度を調整しながら飛行する必要があります。そのためベピコロンボは、地球、金星、水星と複数の惑星に接近するフライバイを繰り返すことで少しずつ軌道を変化させ、2025年の水星周回軌道投入を目指す航路をとっています。単純に水星へ直進するのではなく、遠回りをしながら速度を細かく調整していく点が、水星探査ならではの難しさを物語っています。
水星探査で目指す科学目標
ベピコロンボの主要な目的は、水星の磁場のしくみ、内部構造、そして表面を覆う物質の組成を解明することです。太陽系の惑星の中でも特異な環境を持つ水星を二機の探査機で同時に観測することにより、単独の探査機では得られない、より多角的なデータの取得が期待されています。
2機体制で観測する意義
水星の磁場や周辺の環境を正確に理解するには、異なる高度や視点から同時に観測することが重要です。MPOが表面や内部構造を中心に観測し、みおが磁気圏の環境を観測するというように役割を分担することで、単独の探査機よりも立体的で精度の高いデータを得ることができると期待されています。
国際協力による探査の意義
水星探査のように技術的な難易度が高いミッションでは、一つの機関だけで開発から運用までを担うのは容易ではありません。ヨーロッパと日本がそれぞれの得意分野を活かして機体を分担開発したことは、限られた予算や技術資源を有効に活用しながら、単独では実現が難しい野心的な探査を可能にした好例といえます。長期間にわたる国際的な連携体制を維持し続けていること自体も、大きな成果のひとつといえるでしょう。
まとめ
ベピコロンボは、ヨーロッパと日本という二つの宇宙機関が力を合わせて実現した、野心的な水星探査ミッションです。二機体制での観測と、複数の惑星をめぐる緻密な航行計画により、これまで謎に包まれてきた水星の姿が明らかになることが期待されています。