磁気共鳴とは?
じききょうめい
磁気共鳴とは、静磁場中に置かれた原子核や電子のスピンが特定の周波数の電磁波と共鳴的に相互作用する現象のことです。
磁気共鳴とは、外部静磁場中でスピン角運動量を持つ粒子(原子核や不対電子)が特定の周波数の電磁波(ラジオ波やマイクロ波)を照射されたとき、共鳴条件を満たす周波数においてエネルギーを選択的に吸収・放出する現象です。
静磁場中に置かれたスピンは「ラーモア歳差運動」を行い、その歳差周波数(ラーモア周波数)は磁場の強さとスピンの磁気回転比の積で決まります。照射する電磁波の周波数がラーモア周波数と一致したとき、エネルギーの共鳴的な授受(磁気共鳴)が生じます。
磁気共鳴を応用した主な技術は以下の通りです。
- 核磁気共鳴(NMR):原子核(¹H・¹³C・³¹Pなど)の磁気共鳴を利用。分子の構造解析・化学シフトの測定に不可欠で、創薬・有機合成の基本分析手法です。
- MRI(磁気共鳴画像法):水素核のNMRを人体に応用し、非侵襲で臓器や軟組織の断層画像を得る医療診断技術です。
- 電子スピン共鳴(ESR/EPR):不対電子の磁気共鳴を利用し、ラジカルや磁性材料の解析に使います。
- 磁気共鳴分光法(MRS):生体内の代謝産物を非侵襲で定量する臨床・研究ツールです。
磁気共鳴は化学・物理・医学・材料科学にまたがる非常に広範な基盤技術です。NMRの発展はフェリックス・ブロッホとエドワード・パーセルの1952年ノーベル賞、MRIへの発展はポール・ラウターバーとピーター・マンスフィールドの2003年ノーベル賞として評価されています。
使い方・例文
病院での脳や関節のMRI検査は磁気共鳴の原理を利用した代表的な応用であり、X線を使わず軟組織を鮮明に描出できるため、現代医療に欠かせない診断手段となっています。
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