甲状腺濾胞とは?
こうじょうせんろほう
甲状腺濾胞とは、甲状腺を構成する球状の基本単位で、甲状腺ホルモンの前駆体であるコロイドを貯蔵・分泌する構造です。
甲状腺濾胞(こうじょうせんろほう、thyroid follicle)は、甲状腺の実質を構成する機能的・構造的な基本単位です。直径0.05〜0.5mm程度の球状の袋で、1層の濾胞上皮細胞(濾胞細胞)に囲まれており、内部にゼリー状の「コロイド(colloid)」が充満しています。
コロイドの主成分はサイログロブリンというタンパク質で、甲状腺ホルモン(チロキシン:T4、トリヨードサイロニン:T3)の前駆体が結合した形で貯蔵されています。甲状腺ホルモンが生成・分泌される過程は次のとおりです。
- 血液中のヨウ素が濾胞細胞に取り込まれる
- サイログロブリン上のチロシン残基がヨウ素化される
- コロイドとして濾胞内に蓄えられる
- 下垂体からのTSH(甲状腺刺激ホルモン)の指令でコロイドが細胞内に取り込まれ分解され、T3・T4が血中に放出される
甲状腺は唯一ホルモンを体内に「貯蔵」できる内分泌腺であり、その貯蔵庫が濾胞のコロイドです。通常、数週間分のホルモンが貯蔵されていると言われています。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)では濾胞が過剰に活性化してコロイドが減少し、機能低下症(橋本病)では免疫による濾胞の破壊が起こります。病理診断では濾胞の大きさ・コロイドの量・上皮細胞の形態が重要な観察指標です。
使い方・例文
甲状腺の超音波検査や組織検査で「濾胞の構造」という表現が使われ、甲状腺疾患の診断や甲状腺がんとの鑑別において甲状腺濾胞の状態が評価されます。
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