棄捐令とは?
きえんれい
棄捐令とは、江戸時代に幕府が旗本・御家人の借金を帳消しにさせた徳政令の一つで、寛政の改革の一環として出されました。
棄捐令(きえんれい)とは、江戸時代に江戸幕府が旗本(はたもと)や御家人(ごけにん)を対象として出した借金帳消しの命令です。「棄捐(きえん)」とは「捨てて放棄する」という意味で、債権者である札差(ふださし)に対して、旗本・御家人が負っていた借金を一定の条件のもとで免除させました。
棄捐令が出された背景には、旗本・御家人の深刻な財政難があります。江戸時代中期以降、物価上昇や生活の変化により、将軍直属の家臣である旗本・御家人の多くが蔵前(くらまえ)の札差から高利で金を借り、返済できないまま借金が膨らみ続けていました。札差は米の売買・管理を担う業者で、旗本・御家人の俸禄米(給与の米)を担保にして金を貸し付けていました。
1789年(寛政元年)、老中・松平定信が主導した寛政の改革の一環として棄捐令が発布されました。主な内容は次のとおりです。
- 6年以上前の古い借金は全額免除(棄捐)
- 6年以内の借金は年利を引き下げ、長期返済を認める
- 新たな貸し付けには利子の上限を設定
一時的に旗本・御家人の借金負担は軽減されましたが、その後は札差が警戒して貸し渋るようになり、かえって資金調達が困難になるという副作用も生じました。近代的な視点から見ると、財政問題の根本解決にはならなかった政策とも評価されています。
使い方・例文
歴史の授業で寛政の改革を学ぶ際、松平定信の政策の一つとして棄捐令が登場し、江戸時代の武士の借金問題と幕府の対応を理解するための具体例として取り上げられます。
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