平衡線高度とは?
へいこうせんこうど
平衡線高度とは、氷河において年間の涵養量と消耗量がちょうど釣り合う境界線の標高のことです。
平衡線高度(へいこうせんこうど、Equilibrium Line Altitude、略称ELA)とは、氷河の表面において、1年間の積雪・氷の増加量(涵養量)と融解・蒸発・流出による減少量(消耗量)がちょうど等しくなる境界線の標高を指します。
氷河は平衡線高度を境に二つの領域に分けられます。それより高い部分は「涵養域」と呼ばれ、積雪が消耗を上回って氷が蓄積されます。一方、低い部分は「消耗域」と呼ばれ、融解や蒸発によって氷が失われます。この二つの領域のバランスが氷河全体の収支を決定します。
平衡線高度は次のような要因で変化します。
- 気温:気温が上昇すると融解が増え、ELAは上昇する
- 降水量:降雪量が増えるとELAは低下する
- 日射量・地形:斜面の向きや遮蔽条件によっても変動する
平衡線高度は気候変動の影響を敏感に反映するため、氷河の健全度や縮小・拡大の傾向を評価する重要な指標として使われます。近年の温暖化によってELAが上昇傾向にあることが多くの氷河で観測されており、氷河縮小の一因となっています。古気候研究においては、過去の氷河の痕跡からELAを復元し、当時の気候を推定する手法も用いられています。
使い方・例文
氷河学の教科書や気候変動の研究報告書で「ELAが過去数十年で〇〇メートル上昇した」という形で、氷河の変化を示す指標として登場します。
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