氷河質量収支とは?
ひょうがしつりょうしゅうし
氷河が一定期間に得た雪氷の量から失った量を差し引いた収支で、氷河の増減や健全性を示す重要な指標です。
氷河質量収支(ひょうがしつりょうしゅうし、glacier mass balance)とは、ある氷河が一定期間(通常1年間)に蓄積した氷雪量と、融解・蒸発・崩落などによって失った氷雪量の差のことです。プラスであれば氷河が成長し、マイナスであれば縮小していることを意味します。
氷河の質量収支は大きく二つの要素から成り立っています。まず涵養(かんよう)と呼ばれる蓄積プロセスでは、降雪や氷雪の吹き込みなどによって上部の涵養域に質量が加わります。一方、消耗と呼ばれるプロセスでは、融解した水の流出、蒸発、氷山として海に崩れ落ちること(カービング)などにより下部の消耗域で質量が失われます。この二つが釣り合う高度を「平衡線高度(ELA)」と呼び、気候変動によって上下します。
質量収支の測定方法には主に以下の三種類があります。
- 直接測定法:現地でステークを立てて氷面変化を計測する
- 測地学的手法:衛星や航空写真で氷河の体積変化を算出する
- 重力衛星(GRACE等)による広域の質量変化の観測
地球温暖化の影響で世界各地の氷河の質量収支は慢性的にマイナス傾向にあり、海面上昇や水資源への影響として社会的にも注目される指標となっています。
使い方・例文
「近年の観測では、アルプス山脈やヒマラヤの多くの氷河で氷河質量収支がマイナスを示しており、氷河の縮小が続いていることが明らかになっている。」
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