氷河流動とは?
ひょうがりゅうどう
重力の作用によって氷河が山の斜面を下方向にゆっくりと動く現象で、氷の変形と底面滑りの二つの仕組みで生じます。
氷河流動(ひょうがりゅうどう、glacier flow)とは、重力の影響を受けた氷河が傾斜に沿って下方に移動する現象のことです。山岳氷河では数センチから数メートル、グリーンランドや南極の大型氷河では一日に数十メートルに達するものもあります。一見すると固体の氷がなぜ動くのかは不思議に思えますが、そこには二つの主要なメカニズムが働いています。
一つ目は内部変形(クリープ)です。氷は巨大な圧力下では非常にゆっくりと粘性のある固体として振る舞い、結晶の再配列や粒界すべりによって変形しながら流れます。二つ目は底面滑り(基盤すべり)です。氷と基盤岩の間に融解水が薄い層を形成することで氷河が滑走します。特に温暖型氷河(温帯氷河)ではこの底面融解が活発で流動速度が大きくなります。
流動速度に影響する主な要因は次の通りです。
- 傾斜角:急斜面ほど流速が増す
- 氷厚:厚いほど内部圧力が高まり流動が活発になる
- 気温と底面水:温暖な気候では底面融解が増し滑りやすくなる
- 地形:谷の形状が流路を制約する
氷河流動は侵食・堆積地形の形成に直結するほか、気候変動による流動速度の変化は氷河の消耗率や海面上昇予測にも直接かかわる重要な研究テーマです。
使い方・例文
「アラスカの氷河では、夏季の融雪水が増加することで底面すべりが活発になり、氷河流動の速度が冬季の数倍に達することが観測されている。」
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