完全養殖とは?
かんぜんようしょく
完全養殖とは、人工的に管理した環境で親魚から採卵・ふ化させた稚魚を育て、その魚を再び親魚として次世代の卵を得るサイクルを天然魚に依存せず完結させる養殖方式です。
完全養殖とは、対象とする魚介類の卵から成魚までのライフサイクル全体を人工管理下で完結させ、その成魚を親として次の世代を繰り返し生産できる養殖技術を指します。従来の養殖が天然の稚魚(種苗)を捕獲して育てる方式(畜養)だったのに対し、完全養殖では天然資源への依存をゼロにできる点が最大の違いです。
- 資源保護:天然の親魚や稚魚を捕獲しないため、海洋生態系への影響を最小化できる
- 安定供給:天候や海況に左右される天然漁業・稚魚採取と異なり、安定した生産量を確保できる
- 遺伝的管理:選択育種によって成長速度や病気への耐性を改善できる
- 品質均一化:飼育環境をコントロールすることで、食味や脂肪率などの品質を一定に保てる
日本では近畿大学が長年の研究を経てクロマグロの完全養殖に成功し、「近大マグロ」として広く知られるようになりました。クロマグロ以外にも、トラフグ、ヒラメ、ウナギなどで完全養殖の研究・実用化が進んでいます。特にニホンウナギは天然稚魚(シラスウナギ)の不漁が深刻な問題となっており、完全養殖の実用化が資源保全の観点から強く求められています。
完全養殖は技術的難易度が高く、産卵誘発・受精卵の安定確保・稚魚期の生残率向上など多くの課題があります。しかしSDGsの文脈での持続可能な食料生産という観点から、今後さらに注目される技術です。
使い方・例文
「近大マグロ」として知られる近畿大学水産研究所のクロマグロ完全養殖の成功事例が最も有名で、水産資源の持続可能な活用を議論する際に完全養殖が取り上げられます。
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