規律権力とは?
きりつけんりょく
規律権力とは、フランスの哲学者ミシェル・フーコーが提唱した、個人の身体や行動を細部にわたって管理・訓練する権力の様式です。
規律権力(きりつけんりょく)とは、フランスの哲学者ミシェル・フーコーが1970年代に提唱した概念で、近代社会における権力の作動方式のひとつを指します。
伝統的な権力が「命令に従わなければ罰する」という形で機能していたのに対し、規律権力は個人の身体・時間・動作・空間を細かく組織化し、人々を内側から従順で有用な存在へと形成する点に特徴があります。フーコーはその主著『監獄の誕生』(1975年)でこの概念を詳細に論じました。
規律権力の代表的な技術には以下のものがあります。
- 時間割・スケジュール管理:時間を細分化し、活動を定められた枠に当てはめる
- 階層的監視:上位者が下位者を常に観察できる仕組みを整える
- 正常化の審判:正常・異常の基準を設けて個人を評価・序列化する
- 試験・検査:定期的に個人の状態を記録し、可視化する
学校・軍隊・工場・病院・監獄といった近代的な施設はいずれも規律権力の典型的な場として論じられます。フーコーは哲学者ジェレミー・ベンサムが設計した「パノプティコン(一望監視施設)」を比喩として用い、監視される者が常に見られているかもしれないという意識を持つことで、やがて自分自身を規律化するようになると説明しました。現代社会でも、職場の勤怠管理システムや学校の評価制度にこの論理を見出すことができます。
使い方・例文
学校の時間割に従い、成績表によって評価され、校則を守るよう内面化していく過程は、規律権力の典型的な作用として論じられます。
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