宇宙背景輻射異方性とは?
うちゅうはいけいふくしゃいほうせい
宇宙背景輻射異方性とは、宇宙誕生直後の熱放射の名残である宇宙マイクロ波背景放射(CMB)が、方向によってわずかに温度が異なる性質のことです。
宇宙背景輻射異方性(うちゅうはいけいふくしゃいほうせい)とは、宇宙マイクロ波背景放射(CMB:Cosmic Microwave Background)の温度が、空の方向によってわずかに(約10万分の1の程度で)異なるという性質のことを指します。
宇宙マイクロ波背景放射は、ビッグバンから約38万年後に宇宙が冷えて陽子と電子が結合し透明になった瞬間(「宇宙の晴れ上がり」)に放出された光の名残です。現在は全天にわたって約2.7ケルビンのマイクロ波として観測されます。宇宙全体でほぼ均一ですが、精密な観測によって方向ごとにわずかな温度のゆらぎが存在することが明らかになっています。これが「異方性」と呼ばれる現象です。
この温度ゆらぎは、宇宙誕生直後に存在したわずかな密度のムラを反映しており、その後に銀河・銀河団などの大規模構造が形成されるもとになったと考えられています。つまり、CMBの異方性は宇宙の「種」にあたる情報を含んでいます。
CMBの異方性の観測は宇宙論に重大な成果をもたらしています。
- 宇宙の幾何学的形状(平坦性)の確認
- 暗黒物質・暗黒エネルギーの比率の推定
- 宇宙の年齢(約138億年)の精密決定
- インフレーション理論の検証
NASAの「COBE」「WMAP」、欧州宇宙機関の「プランク」衛星などが高精度のCMBマップを作成し、現代宇宙論の基盤となるデータを提供しています。
使い方・例文
プランク衛星が作成した全天マップには、CMBの温度の微細なムラが色で表現されており、宇宙誕生直後の状態を示す宇宙背景輻射異方性の「地図」として世界中の研究者に活用されています。
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