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熱放射とは?

ねつほうしゃ

放射とは、物体が温度に応じて電磁波を放出する現象のことで、すべての物体は絶対零度でない限り熱放射を行っています。

放射(thermal radiation)は、物体が持つ内部エネルギー(熱)を電磁波のエネルギーとして放出する現象です。対流や伝導と並ぶ熱移動の三形態のひとつで、伝導・対流と異なり媒質(空気や固体)がなくても熱が伝わる点が大きな特徴です。真空中でも電磁波は進むため、太陽から宇宙空間を経て地球に熱が届くのも熱放射によるものです。

物体が放出する熱放射の特性は主にその温度によって決まります。温度が高いほど放射強度が増し、また放射される電磁波のピーク波長が短波長側にずれます(ウィーンの変位則)。例えば、常温の物体は赤外線として熱を放射しており、人間の目には見えませんが、サーモグラフィーカメラで映し出すことができます。一方、高温の物体は赤色や白色の可視光を放射します(白熱電球がその例です)。

熱放射の理解に欠かせない重要な概念を整理すると以下の通りです。

  • 黒体放射:すべての波長の電磁波を完全に吸収・放射する理想的な物体(黒体)からの放射
  • シュテファン=ボルツマン則:物体の放射エネルギーは絶対温度の4乗に比例する
  • ウィーンの変位則:放射ピーク波長は温度に反比例する
  • 放射率:実際の物体の放射量を黒体と比較した割合

熱放射の研究は、19世紀末から20世紀初頭にかけての「紫外線破綻」と呼ばれる理論的矛盾をきっかけに、プランクが量子論を提唱するという物理学史上の大転換を生み出しました。現代では建築の断熱設計・天体の温度測定・赤外線センサー・気候変動の温室効果の理解など、幅広い分野で熱放射の知識が活用されています。

使い方・例文

赤外線カメラで人体の体温が映像として見えるのは熱放射の原理によるもので、医療・防災・建物の断熱診断の場面でこの現象が利用されています。また、宇宙背景放射も熱放射の一種として宇宙論の文脈で登場します。

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