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変位電流とは?

へんいでんりゅう

変位電流とは、コンデンサーの極板間のように導体のない空間においても、電場の時間変化によって磁場が生じる現象を説明するためにマクスウェルが導入した概念です。

変位電流(へんいでんりゅう)とは、スコットランド物理学ジェームズ・クラーク・マクスウェル(1831〜1879年)が電磁場の理論を構築する過程で導入した概念です。実際に電荷が移動する通常の伝導電流とは異なり、電場(電束密度)の時間変化によって磁場が生じる効果を電流と同等に扱うためのものです。

アンペールの法則はもともと「電流の周りには磁場が生じる」という法則でしたが、コンデンサーの充放電のような状況では極板間に電流が流れていないにもかかわらず、その外側には磁場が生じます。マクスウェルはこの矛盾を解決するため、変位電流の項を導入してアンペールの法則を拡張しました。

変位電流の導入がもたらした意義は非常に大きいものがあります。

  • マクスウェル方程式の完全な対称性の確立
  • 電磁波(光を含む)の存在を理論的に予言
  • 電場と磁場が互いを誘起しながら空間を伝播するという電磁波の理論的基礎
  • 後にヘルツの実験によって電磁波の存在が実証された

変位電流は目には見えませんが、現代のラジオ・テレビ・スマートフォンなど無線通信のすべての技術的基盤となっています。物理学史上、理論の美しさから現実を予言した最も重要な概念のひとつに数えられます。

使い方・例文

大学の電磁気学の講義で、コンデンサーを含む回路でのアンペールの法則の拡張を学ぶ場面で変位電流が登場し、電磁波の理論的起源として解説されます。

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