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口腔粘膜下線維症とは?

こうくうねんまくかせんいしょう

口腔粘膜下線維症とは、口の中の粘膜が慢性的な炎症により線維化し、開口障害や灼熱感を引き起こす前がん状態のことです。

口腔粘膜下線維症(Oral Submucous Fibrosis、OSF)は、口腔内の粘膜組織が慢性的な炎症を経て線維化(コラーゲンの異常蓄積)する疾患です。世界保健機関WHO)により口腔がんの前駆状態(前がん病変)として分類されており、放置するとがんへと移行するリスクがあります。

主な原因として広く知られているのは、ビンロウの実(アレカナッツ)を噛む習慣です。南アジア・東南アジア・太平洋地域で古くから続くこの習慣において、アレカナッツに含まれるアレコリンなどのアルカロイドが粘膜細胞を傷つけ、線維芽細胞を活性化させてコラーゲンを過剰産生させると考えられています。タバコや香辛料の過剰摂取も増悪因子とされます。

症状は以下のように段階的に進行します。

  • 初期:口腔内の灼熱感・ヒリヒリ感、食物摂取時の刺激痛
  • 中期:粘膜の白色化・硬化、頬の内側に索状の線維帯が形成
  • 進行期:開口障害(口が十分に開かなくなる)、嚥下困難

治療は保存的療法が中心で、ビタミンA・Eや副腎皮質ステロイドの局所注射、理学療法による開口訓練などが行われます。がん化が疑われる場合は外科的切除が検討されます。予防には原因となる習慣の中止が最も重要であり、早期発見・早期対応が予後を左右します。

使い方・例文

「彼は長年ビンロウを噛む習慣があり、口腔粘膜下線維症と診断されて開口訓練を始めた」というように、南アジア系の人々の口腔疾患の文脈でよく登場します。

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