分点歳差とは?
ぶんてんさいさ
分点歳差とは、月と太陽の引力が地球の赤道のふくらみに作用することで生じる歳差運動の主成分で、春分点・秋分点を黄道上で移動させる現象です。
分点歳差(ぶんてんさいさ、Lunisolar Precession)は、地球の歳差運動のうち、月と太陽の引力が主因となって生じる成分です。地球は赤道部分が少し膨らんだ回転楕円体であるため、赤道面に対して傾いた方向から働く月・太陽の引力がトルク(回転力)を生じさせ、地球の自転軸をゆっくりと動かします。
分点歳差の特徴は以下の通りです。
- 春分点・秋分点(分点)を黄道に沿って西方向へ移動させる(西行き方向、逆行方向)
- 1年あたり約50.4秒角、約72年で1度の速度で分点が移動する
- 自転軸の傾き(黄道傾斜角)はほぼ変えず、軸の向きだけが変化する
歳差全体は分点歳差(日月歳差)と惑星の引力による「黄道歳差」の合計として定義される「一般歳差」で表されます。一般歳差のうち最大の成分を占めるのが分点歳差であり、全体の約97%を担います。
天文座標系(赤経・赤緯)の基準点が分点であるため、分点歳差は天体カタログや観測データの座標換算において必ず考慮しなければならない重要な補正項目です。
使い方・例文
星座の位置データや天体観測の記録を長期保存する際、「J2000.0元期」などと元期を明記するのは、分点歳差による座標のずれを後から補正できるようにするためです。
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