光吸収スペクトルとは?
こうきゅうしゅうすぺくとる
光吸収スペクトルとは、物質がどの波長の光をどの程度吸収するかを波長の関数として表したもので、物質の同定や分析に使われます。
光吸収スペクトル(ひかりきゅうしゅうスペクトル、absorption spectrum)とは、光が物質を透過する際に特定の波長で吸収が起きる様子を、横軸に波長(または波数・エネルギー)、縦軸に吸光度や透過率をとってグラフに表したものです。物質固有の電子遷移や分子振動・回転に由来する特徴的なパターンを示します。
光が物質に入射すると、光子のエネルギーが原子・分子の量子エネルギー準位差と一致する波長で吸収が起きます。これが吸収スペクトルの「吸収線」または「吸収バンド」として現れます。電子遷移に対応する吸収はおもに紫外・可視光領域(UV-Vis)、分子振動は赤外領域(IR)、分子回転はマイクロ波領域に現れます。
光吸収スペクトルの主な利用分野は以下のとおりです。
- UV-Vis分光法:溶液中の濃度測定(ランベルト・ベールの法則)、有機化合物の共役系の特定
- 赤外分光法(IR):官能基の同定、有機・無機化合物の構造解析
- 天文学:星や惑星大気の組成を地球から推定するための遠隔分析
- 生化学:タンパク質・核酸・色素の定量と性状分析
光吸収スペクトルは「物質の指紋」ともいわれ、化学・生命科学・材料科学・天文学にわたって物質の同定・定量・構造解析のための最も基本的な分析手法の一つです。
使い方・例文
赤ワインに含まれるアントシアニンの光吸収スペクトルを測定すると可視光領域に特徴的な吸収ピークが現れ、その吸光度からアントシアニン濃度を定量できます。
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