フレドホルム作用素とは?
ふれどほるむさようそ
フレドホルム作用素とは、核空間と余核空間が共に有限次元になる線形作用素のことで、積分方程式や偏微分方程式の解析に使われます。
フレドホルム作用素(Fredholm operator)とは、バナッハ空間(またはヒルベルト空間)間の有界線形作用素 T: X → Y のうち、次の3条件をすべて満たすものをいいます。
- 核(ker T)が有限次元である
- 像(Im T)が閉集合である
- 余核(coker T = Y/Im T)が有限次元である
このとき、フレドホルム指数(Fredholm index)を ind(T) = dim(ker T) − dim(coker T) と定義します。フレドホルム指数は作用素の連続変形に対して不変(トポロジカル不変量)であるという重要な性質を持ちます。
この概念は、スウェーデンの数学者エリク・イヴァル・フレドホルムが20世紀初頭に積分方程式の研究で導入したことに由来します。典型的なフレドホルム積分方程式は、ある積分作用素がコンパクト作用素と恒等作用素の差として表される形を持ちます。
フレドホルム作用素の応用分野は広く、楕円型偏微分方程式の解の存在・一意性の解析、アティヤ・シンガーの指数定理(微分幾何と位相の深い関係を示す定理)、量子力学・弦理論への応用などが挙げられます。現代の関数解析・大域解析学における中心的な道具のひとつです。
使い方・例文
楕円型偏微分方程式(ラプラシアンなど)に対応する微分作用素はフレドホルム作用素になることが多く、そのフレドホルム指数を調べることで方程式の解の存在条件や解の個数の情報が得られます。
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