フェルミ縮退とは?
ふぇるみしゅくたい
絶対零度付近でフェルミ粒子(電子など)が量子力学的効果によって最低エネルギー状態に詰め込まれた状態を指します。
フェルミ縮退(Fermi Degeneracy)とは、電子・陽子・中性子などのフェルミ粒子(スピンが半整数の粒子)が、パウリの排他原理によって同一の量子状態を占めることができないため、低温・高密度な環境で複数のエネルギー準位を「下から詰めた」状態になる量子力学的現象です。
通常の気体では温度が下がるにつれて粒子は低エネルギー状態に集まろうとしますが、フェルミ粒子は一つの状態に1粒子しか入れません。そのため絶対零度に近づいても、多くの粒子がフェルミエネルギー(最も高い占有エネルギー準位)付近まで分布します。この状態を「縮退している」と表現します。
フェルミ縮退は宇宙物理学で重要な役割を果たします。
- 白色矮星:電子の縮退圧が重力崩壊を支え、星を安定させる
- 中性子星:中性子の縮退圧と強い相互作用が極高密度を支える
- 金属中の電子:室温でもほぼ縮退した状態にあり、電気伝導や熱伝導を説明する
縮退圧は熱的な圧力と異なり、温度に依存しません。このため白色矮星は冷えても崩壊せずに輝き続けることができます。チャンドラセカール限界(太陽質量の約1.4倍)を超えると電子縮退圧では支えられず、超新星爆発や中性子星への遷移が起こります。
使い方・例文
「白色矮星が長い時間をかけて冷えても崩壊しないのは、フェルミ縮退によって生じる電子の縮退圧が重力に対抗しているためである」のように、天文学や量子物理学の解説で用いられます。
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