パウリの排他原理とは?
ぱうりのはいたげんり
「原理」の用語まとめを見るパウリの排他原理とは、同じ量子状態を二つ以上のフェルミオン(電子など)が同時に占めることはできないという量子力学の基本原理です。
パウリの排他原理(Pauli exclusion principle)は、1925年にオーストリアの物理学者ヴォルフガング・パウリが提唱した量子力学の基本原理です。この原理は、同じ量子系の中で二つ以上のフェルミオンが完全に同じ量子状態を共有することはできないと述べるものです。
フェルミオンとは、スピン量子数が半整数(1/2、3/2など)の粒子の総称で、電子・陽子・中性子・クォークなどが含まれます。一方、光子やボソンと呼ばれる整数スピンの粒子にはこの原理は適用されません。
電子の場合、量子状態を決める量子数は次の四つです。
- 主量子数(n):エネルギー準位・電子殻
- 方位量子数(l):軌道の形
- 磁気量子数(m):軌道の向き
- スピン量子数(ms):上向き(+1/2)または下向き(−1/2)
この原理によれば、同じ原子内の電子はこの四つの量子数がすべて同じになることはありません。そのため電子は各軌道に最大2個(スピンが逆向きの2個)しか入れず、順次より高いエネルギー準位の軌道を占めていきます。
パウリの排他原理は、原子の電子配置・元素の化学的性質・周期表の構造を説明するうえで不可欠な原理です。また、中性子星の崩壊を防ぐ「縮退圧」(フェルミ縮退)も、この原理によって生じる現象です。パウリはこの業績で1945年にノーベル物理学賞を受賞しました。
使い方・例文
化学の授業で「一つの軌道に電子は最大2個で、スピンが逆向きでなければならない」と習う規則がパウリの排他原理に基づいています。元素の性質や周期表を理解する基礎として登場します。
この用語をシェア
最終更新: