フィックの拡散法則とは?
ふぃっくのかくさんほうそく
「法則」の用語まとめを見るフィックの拡散法則とは、物質が濃度の高い場所から低い場所へ移動する拡散現象を数式で表した物理・化学の基本法則です。
フィックの拡散法則(Fick's laws of diffusion)は、19世紀のドイツの生理学者アドルフ・フィック(Adolf Fick、1829〜1901年)が1855年に提唱した、拡散現象を記述する基本法則です。物質は濃度勾配(濃度差)に従って、高濃度の領域から低濃度の領域へと自発的に移動します。この現象を定量的に表したのがフィックの法則です。
フィックの法則には第一法則と第二法則があります。
- 第一法則(定常状態):単位時間・単位面積あたりに流れる物質量(フラックス)は、濃度勾配に比例します。拡散係数Dが大きいほど、また濃度差が急峻なほど物質の移動量が増えます。
- 第二法則(非定常状態):ある地点の濃度が時間とともにどう変化するかを記述する偏微分方程式で、拡散方程式とも呼ばれます。
この法則は物理・化学・生物学など幅広い分野で応用されています。
- 生体内での酸素・二酸化炭素の肺胞や細胞膜を通じた移動
- 半導体製造における不純物拡散プロセス
- 水中の溶質の輸送現象
- 食品や医薬品の成分の浸透・放出
拡散係数Dは温度・物質の種類・媒質の性質によって変化し、さまざまな条件下での物質移動の予測に活用されています。
使い方・例文
「フィックの拡散法則を使って、皮膚パッチ剤から薬効成分が体内へ浸透する速度を計算した」というように、物理化学や生物物理学の計算・解析の文脈で使われます。
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