ケルビン波とは?
けるびんなみ
ケルビン波とは、地球の自転と海岸線・赤道などの境界の影響を受けて伝わる大規模な波動で、海洋と大気の気候変動に重要な役割を果たす現象です。
ケルビン波(Kelvin wave)は、地球の自転(コリオリ力)の影響を強く受け、海岸線や赤道などの境界に沿って伝播する大規模な波動です。19世紀のイギリスの物理学者ウィリアム・トムソン(後のケルビン卿)が理論的に記述したことから、その名が付けられています。
ケルビン波には大きく2種類があります。
- 沿岸ケルビン波:海岸線に沿って伝わる波。北半球では海岸を右手に見ながら進む性質を持ちます。
- 赤道ケルビン波:赤道付近に「閉じ込められる」ように東向きに伝播する波。エルニーニョ現象に深く関与します。
赤道ケルビン波は特に気候学的に重要です。赤道太平洋では、貿易風の弱まりによって西太平洋で温められた海水が東向きのケルビン波として伝わり、数ヶ月かけてペルー沖まで到達します。これが海面水温を上昇させ、エルニーニョ現象の発達に寄与します。また、大気中にも赤道ケルビン波に対応する構造があり、海洋と大気の相互作用を通じてモンスーンや降水パターンに影響を与えます。
海洋学・気象学における基礎的な概念であり、季節予報や気候モデルの精度向上に不可欠な波動現象です。
使い方・例文
エルニーニョ現象が発生する際、赤道太平洋を西から東へ数ヶ月かけて伝わる温かい海水の波がケルビン波の一種です。気象予報士がエルニーニョの発達を予測する際にもこの波の動向が参照されます。
この用語をシェア
最終更新: