クリプトゲイミック層とは?
くりぷとげいみっくそう
クリプトゲイミック層とは、地衣類・コケ類・シアノバクテリアなどが土壌表面に形成する微生物と植物の複合的な生物膜のことです。
クリプトゲイミック層(Cryptogamic crust)とは、乾燥地や半乾燥地の土壌表面に形成される、地衣類・コケ類・シアノバクテリア・藻類・菌類などの非維管束植物や微生物が密集した薄い生物層のことを指します。「クリプトゲイミック」とはギリシャ語の「隠れた繁殖」を意味し、花を咲かせずに繁殖するこれらの生物群の特性に由来します。
この層は厚さわずか数ミリから数センチでありながら、砂漠や高山、極地など過酷な環境において重要な生態学的機能を果たします。主な機能は以下の通りです。
- 土壌の侵食防止:菌糸やシアノバクテリアの分泌物が土壌粒子を結合し、風や水による侵食を大幅に減少させます。
- 窒素固定:一部のシアノバクテリアは大気中の窒素を固定し、乏しい土壌に栄養分を供給します。
- 水分保持:土壌表面の保水性を高め、植物の定着を助けます。
- 生物多様性の基盤:高等植物が定着する前の先駆的な生態系として機能します。
クリプトゲイミック層は非常に脆弱であり、人や動物が踏みつけることで容易に破壊されます。一度破壊されると回復には数十年から数百年かかる場合もあり、乾燥地の保全において重要な研究対象となっています。気候変動による降水パターンの変化もこの層の分布と健全性に大きな影響を与えています。
使い方・例文
モンゴルの草原や米国南西部の砂漠地帯では、地面が黒っぽい皮状に見える場所があり、これがクリプトゲイミック層で、踏み荒らさないよう注意が促されています。
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