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エバネッセント波とは?

えばねっせんとは

エバネッセント波とは、全反射が起きる界面において反射側の媒質に染み出す、急激に減衰する非伝播的な電磁波のことです。

エバネッセント波(evanescent wave)とは、光や電磁波が屈折率の高い媒質から低い媒質へ臨界角以上の入射角で入射して全反射が起きるとき、低屈折率側の界面近傍に染み出す波のことです。振幅は界面からの距離に対して指数関数的に減衰し、エネルギーは伝播方向には運ばれません。

エバネッセント波は、光の波動方程式(マクスウェル方程式)から全反射の境界条件を解くことで自然に導かれます。界面に平行な方向には波の位相が伝播しますが、界面に垂直な方向には振幅が急激に減衰します。典型的な侵入深さは光の波長と同程度(数十〜数百ナノメートル)です。

エバネッセント波の重要な性質と応用は以下のとおりです。

  • TIRF顕微鏡(全内部反射蛍光顕微鏡):細胞膜近傍の分子だけを選択的に励起・観察できます
  • 光ファイバーセンサー:コアのエバネッセント場が外部の屈折率変化を検出します
  • 近接場光学顕微鏡(NSOM/SNOM):回折限界を超えた高分解能観察が可能です
  • 量子トンネル効果との類比:粒子の波動関数が障壁を染み出す現象と数学的に対応します

エバネッセント波はナノスケールの光操作を可能にする技術として、生命科学・ナノフォトニクス・センシング技術で広く活用されています。

使い方・例文

TIRF顕微鏡(全内部反射蛍光顕微鏡)ではエバネッセント波を利用して細胞膜表面の蛍光分子だけを選択的に照射し、背景ノイズを大幅に低減した高コントラスト観察が実現されています。

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