ウガリット遺跡とは?
うがりっといせき
ウガリット遺跡とは、シリア北部に位置する青銅器時代の港市国家ウガリットの遺跡で、世界最古級のアルファベット文字が発見されたことで知られます。
ウガリット遺跡(Ugarit、現在のラス・シャムラ)は、シリア北部の地中海沿岸、ラタキア近郊に位置する古代都市の遺跡です。紀元前3000年紀から紀元前12世紀頃まで人が定住した痕跡があり、青銅器時代後期(紀元前15〜12世紀)に港市国家として最盛期を迎えました。
ウガリットが世界史上とりわけ重要な理由は、ここで発見されたウガリット語の粘土板文書にあります。ウガリット文字は、楔形文字の技法を用いながら30文字程度のアルファベット体系をもつ世界最古級の子音アルファベットのひとつであり、現代のアルファベット文字の起源を考えるうえで欠かせない資料です。紀元前14世紀ごろに成立したとされ、神話・法律・外交文書・詩歌など多様な内容の文書が出土しています。
遺跡からは宮殿、神殿、住居跡のほか、エジプト・メソポタミア・ミケーネ文明など各地との交易を示す遺物が多数見つかっており、当時の地中海世界における国際交易の拠点であったことがわかります。紀元前12世紀頃に「海の民」による侵攻などで都市は突然崩壊し、以後再建されませんでした。
ウガリット遺跡は1929年にフランスの考古学調査隊によって発見・発掘が開始され、現在もシリア内戦の影響下で保護が課題となっています。
使い方・例文
ウガリット遺跡はアルファベットの起源を解説する文章や文字史の授業で頻繁に登場し、最古の文字体系のひとつとして紹介されます。
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