t分布とは?
てぃーぶんぷ
標本数が少ないときに平均の推定や仮説検定に用いる、左右対称のベル型をした確率分布です。
t分布(Student's t-distribution)とは、標本平均と母平均の差を標本標準偏差で標準化した統計量が従う確率分布です。1908年にウィリアム・ゴセット(筆名「Student」)が発表したことから「スチューデントのt分布」とも呼ばれます。
正規分布に似た左右対称のベル型をしていますが、正規分布より裾が重く(厚い裾)、外れ値が出やすい形状です。この形状は「自由度(ν)」というパラメータで変化します。
- 自由度が小さい(標本数が少ない)ほど裾が厚く、分布は広がる
- 自由度が増えるにつれて標準正規分布(z分布)に近づく
- 自由度が30以上になると実用上ほぼ正規分布と見なせる
t分布が特に重要なのは、母集団の分散が未知で標本数が小さい場合の統計的推論です。具体的には次の用途で広く使われます。
- 一標本のt検定:母平均が特定の値かどうかの検定
- 対応のある二標本t検定:同一対象の前後比較
- 独立した二標本t検定:2グループの平均値比較
- 回帰係数の有意性検定
t分布表やソフトウェアを使ってp値や信頼区間を求めることで、少ない標本でも信頼性のある推定ができます。医学・心理学・工学など幅広い分野の研究や品質管理で欠かせない基本的な分布です。
使い方・例文
「20人の被験者データを使って薬の効果を調べる場合、t分布を用いたt検定でグループ間の平均差が統計的に有意かどうかを判断する」のように、小規模サンプルの仮説検定の場面で登場します。
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