MCAD欠損症とは?
えむしーえーでぃーけっそんしょう
MCAD欠損症とは、中鎖脂肪酸の代謝に必要な酵素が遺伝的に欠損し、空腹時などに低血糖や意識障害を引き起こす先天性代謝疾患です。
MCAD欠損症(Medium-chain acyl-CoA dehydrogenase deficiency、MCADD)は、ミトコンドリアでの脂肪酸β酸化に必要な中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)が欠損する常染色体劣性遺伝の代謝疾患です。ACADM遺伝子の変異によって引き起こされ、欧米では先天性代謝疾患の中で比較的頻度が高く、日本でも新生児マススクリーニング対象疾患のひとつです。
脂肪酸β酸化は、空腹時や激しい運動時など糖が不足した状況で、脂肪を分解してエネルギーを得る重要な経路です。MCADはこの過程で炭素数6〜12の中鎖脂肪酸からアシルCoAを酸化する反応を担います。
MCADが欠損すると以下の異常が生じます。
- 中鎖脂肪酸の代謝が滞り、中鎖アシルカルニチンや有機酸が蓄積する
- 脂肪酸からのエネルギー産生が障害され、ケトン体産生も不十分となる
- 低ケトン性低血糖が引き起こされ、脳へのエネルギー供給が断たれる
症状は主に空腹や感染などのストレス時に誘発され、嘔吐・傾眠・意識障害・けいれんが出現します。発見が遅れると突然死に至ることもあります。治療の基本は低血糖の予防で、長時間の絶食を避け、発熱時などに早期に糖分補給(緊急時プロトコル)を行うことが重要です。
使い方・例文
MCAD欠損症の乳幼児が風邪や胃腸炎で食事を摂れなくなると、急速に低血糖・意識障害が進行するため、親への緊急時プロトコル教育と病院での早期ブドウ糖点滴が不可欠です。
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