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鉄黒とは?

てつくろ

鉄黒とは、鉄の酸化物を主成分とする黒色顔料で、陶磁器の釉薬や絵画・漆芸において深みのある黒を表現するために用いられてきた素材です。

鉄黒(てつぐろ)は、酸化第二鉄(Fe₂O₃)や四酸化三鉄(Fe₃O₄)などの鉄酸化物を主体とする黒色ないし暗褐色の顔料・着色剤の総称です。陶芸・絵画・漆芸・建築など幅広い分野で利用されてきました。

代表的な用途と特徴は以下の通りです。

  • 陶磁器の釉薬天目釉(てんもくゆう)や黒釉に鉄分が多く含まれており還元・酸化焼成の違いによって黒から茶・飴色まで発色が変化する
  • 日本画・絵画:天然の鉄鉱石を砕いた顔料として古くから使われ、墨とは異なる独特の黒みや茶みがかった色調が得られる
  • 漆芸:漆に酸化鉄を混合した「鉄漆(てつうるし)」は漆黒の仕上げに用いられる

鉄黒の最大の利点は耐光性・耐久性が高く、炭素系の黒(墨・カーボンブラック)と比べて化学的に安定している点です。陶磁器分野では中国・唐代から発展した天目茶碗が代表的で、鉄分を多く含む釉薬が窯内の炎の変化によって「曜変(ようへん)」と呼ばれる美しい結晶模様を生み出すことがあります。現代の陶芸家や日本画家にも広く使われ続けている伝統素材です。

使い方・例文

陶芸家が鉄分を多く含む黒釉を使って碗を焼くと、焼成温度や雰囲気によって均一な漆黒から油滴・禾目(のぎめ)といった結晶模様が生まれ、鉄黒の表情の豊かさを体感できます。

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