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遷移状態理論とは?

せんいじょうたいりろん

遷移状態理論とは、化学反応が進む際に反応物が通過する「最も不安定なエネルギー状態(遷移状態)」を基に、反応速度を予測する理論です。

遷移状態理論(せんいじょうたいりろん、Transition State Theory / TST)は、化学反応速度を反応中間最高エネルギー状態(遷移状態、または活性錯合体)の統計力学的性質から導く理論です。1935年前後にエヴァンス・ポランニー・アイリングらによって独立に提唱されました。

反応が進む際、反応物の分子は結合の組み換えが起きる途中の不安定な構造を経由します。このエネルギー的に最も高い状態を遷移状態(‡で示す)と呼び、反応物と遷移状態のエネルギー差を活性化エネルギー(Ea)といいます。遷移状態理論では、反応物が遷移状態と擬似平衡にあると仮定し、統計熱力学を用いて反応速度定数を以下の形で表します。

  • k = (kB × T / h) × exp(−ΔG‡ / RT)
  • kBはボルツマン定数、hはプランク定数、ΔG‡は活性化ギブスエネルギー

この理論の重要な意義は、反応速度を分子の構造・エネルギーから原理的に計算できる枠組みを与えた点にあります。酵素反応・有機合成・大気化学・材料科学など、反応速度が問題となるあらゆる分野で活用されています。また、量子トンネル効果など古典論では説明できない現象を補正する改良版理論も発展しています。

使い方・例文

有機化学の授業で「なぜこの反応は温度を上げると速くなるのか」を説明するとき、遷移状態理論が用いられ、活性化エネルギーの山を越える分子の割合が温度で変わることが示されます。

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