逆関数定理とは?
ぎゃくかんすうていり
「定理」の用語まとめを見る微分可能な写像が、ある点でヤコビアンが0でなければ、その点近傍で局所的に逆写像を持つことを述べた定理です。
逆関数定理(inverse function theorem)とは、多変数滑らかな写像f:R^n→R^nが、ある点aにおいてヤコビ行列(偏微分からなる行列)が正則(行列式が0でない)であるとき、aの近傍でfは全単射であり、その逆写像f^{-1}も滑らかに存在することを保証する定理です。
1変数の場合は「f'(a)≠0ならばaの近傍でfは単調かつ逆関数が存在し、(f^{-1})'(b)=1/f'(a)」という馴染み深い形になります。多変数への自然な拡張が逆関数定理であり、ヤコビアンがちょうど「微小体積の変化率」を表すことからその正則性が鍵となります。
逆関数定理と陰関数定理は互いに同値であり、一方から他方を証明できます。証明の核はバナッハの不動点定理(縮小写像の原理)を用いた構成的な議論で、実際に逆写像を反復的に近似して構成します。
この定理は微分幾何学で座標変換の局所的な整合性を保証し、多様体論の基盤をなします。また複素解析版(正則写像の局所的単射性)や関数解析版(バナッハ空間での逆写像定理)への一般化があり、非線形解析・偏微分方程式論・制御理論でも欠かせない道具となっています。
使い方・例文
2変数の座標変換(極座標から直交座標など)において、ヤコビアンが0でない点では変換が局所的に可逆であることを逆関数定理が保証します。
この用語をシェア
最終更新: